薬屋の仕事とは全く関係がありませんが、今年4月から「デンリーダー」を務めさせて頂くこととなりました。
まず「デンリーダー」って何?というところから、簡単に説明させて頂きます。皆様、ボーイスカウト(以下、スカウト)はご存知でしょうか。制服を着た子供達が、駅前で募金活動をしてるのを見かけたことがあるかもしれません。でも実は募金活動自体は、一年に一度のたった1時間だけだったりします。
ではそれ以外は何をしてるかと言いますと、夏はキャンプをしたり、秋は山登りをしたりとアウトドアを中心とした活動をしています。その活動を通じて、肉体的・精神的に子供達を鍛えようというものが、スカウトという認識でいます。
そのスカウトに、うちの小学4年の息子が所属して居りまして、そこの隊長さんに
「藤堂さん、4月からデンリーダーお願いします」と言われたのが、今年の1月のこと。
デンリーダーとは、スカウトに参加する子供達の活動の世話をする大人のことで、通常その子達の親の中から選出するものだそうです。
実はその時まで、今のデンリーダーの方達がどういう経緯でなったのかわかっていませんでしたが、頼まれてなるものなのだと知りました。その時二つ返事で了承し、今に至ります。
ただ、私自身は子供時代にスカウト経験はありませんし、部活動も運動もやらず、現在に至るまで徹底したインドア派でアウトドアスキルは皆無。そんな私にリーダーが務まるのか不安ですが、主役はあくまでも子供達ですから、一緒に覚えながらやっていく気持ちで活動に励みたいと思います。
実は、昨年末まで当店に勤めていた山村さんのご主人様は、長年スカウト活動に尽力し、豊田地区スカウトのトップ(会長)まで務められた方。そのこともあり、豊田にスカウトがあるということは知ってました。しかし、それだけの理由で息子をスカウトに入れたわけではありません。
子供に習い事をさせるご家庭は多いですが、うちの息子は、勉強は嫌い、スポーツも練習となると嫌で続かない。では何なら積極的にできるんだろうと息子を観察していて閃いたのが、スカウトでした。
息子は、テレビ番組の「鉄腕DASH」が大好きで、それを真似て山から竹を切って工作をしたり秘密基地を作ったりするのことが好きでした。でも、私の自宅の周りには、あいにく同年代の男の子がおらず遊び相手にも不足していました。ですから、もしかすると息子のやりたいことがスカウトにあるのではと。私自身はテントの貼り方も知らなくて教えてあげられないけど、スカウトに入ればそういった経験が積めると考えて入れました。
結果は正解。スカウトの活動は割とハードで、寒い冬の夜に「大谷展望台」に登ったりもするのですが、帰って来るとやり切った満足気な顔をしていて、キャンプなどの活動も楽しいと言ってくれています。
そんなこんなで、今までも親として少しは手伝いをしてきましたが、ついにどっぷりと活動に参加することに。ちなみに、別の団にお知り合いが居りまして、偶然その方も今年度デンリーダーを引き受けられました。そちらの団では、親が一同に集まって相談しあったそうなのですが、他の親御さん達が、理由にもならない理由で順々に断っていった為、じゃあ私が引き受けますとなったとお聞きました。私自身は、子供が頑張っている活動や、親が子供にさせている活動に、親が参加することを頑なに断るのはどうなんだろうなあと思います。もちろん、それをやることによって、大変なこともあるだろうし、犠牲にしなければいけないこともあるかもしれません。でもそういう役というのは、たいてい一年だったり何年か後には他の誰かにお譲りするものだと思います。
私の目標は、90歳まで生き、それまで現役の薬屋でいることです。従って、生まれてからこの世を去るまでに、一年を90回繰り返すことになります。その90回のうちの1回が、スカウト活動に勤しむ一年であってもいいんじゃないかなと思うわけです。私はそういう思いで、自分に廻ってくる役、過去には地元の消防団や自治会役員、今は漢方会の役員も継続して務めています。
4月からは、小学校や中学等に入学されたお子さんやお孫さんがいらっしゃる方も多いかもしれません。当たり前のことですが、その子が小学一年生だとしたら、その子が一年生として過ごす時間は、たった一年で、唯一度きりのこと。それはその子自身にとってもそうですが、見守る人達にとっても、一年生のその子と関われる唯一度きりの一年です。
ちなみに、うちの子達は今、高校3年生と小学4年生ですが、受験がどうとかに関係なく、毎年が貴重な一年ですから大切に関わっていきたいと思います。
先日、私は子供と鞍ケ池に行き、ボートを足こぎしながら桜を観て参りました。テレビ番組では「エア花見」というものが紹介されてましたがご存知ですか? 家の中でテレビに映る桜を見たり、切り枝を飾ったりして花見をする行為をエア花見と言うそうです。
ただやはり、この季節の空気や光を肌で感じながら観る桜に比べると、寂しく感じます。
最後に一つだけ、薬屋らしいことを言うと、「健康寿命を延ばしましょう」。
毎年、桜を観ることも、子供や孫達の成長を見守ることも、誰かのお役に立てることも、自分自身が嬉しい楽しいと思うことをすることも、ご自分が健康でなければ叶いません。
もしも今、ご自分のやりたいことができなかったり、行きたい所に行けない方も、再び健康を取り戻せば、また次の一年で実行することができます。
毎年大切な一年を、たくさん迎えられるよう、身体を健やかに維持していきましょう。