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子供の水いぼ

「薏苡仁(よくいにん)はありますか?」 

漢方の看板をご覧になられてご来店された若いお母さん。お話を伺うと、5才の娘の「水イボ」をとりたいが、相談した皮膚科では飲み薬が出なかったので、漢方の「薏苡仁」を試してみたいとのこと。

その時あいにく、お子様には服用できない錠剤タイプの薏苡仁しか置いていなかったので、5才でも服用できる顆粒のタイプを取り寄せました。

翌日、まずは20日分(20包)を持ち帰って頂きました。(1/3包を1日3回)

 

約20日後、2度目のご来店。はっきりと水イボが減ったわけではないが、なんとなく効いてる感じがするとのことで、30日分(30包)をお持ち帰り。

 

それからまた1ヶ月、3度目のご来店。どんな具合かお伺いしてみると、「大きな水イボがなくなって、今は小さな水イボが少し残ってるだけ」とのこと。

小さい子の水イボで、薏苡仁を試したことがなかったので、「ちゃんと効いてくれるといいな」と願っていました。きちんと結果が出たので、私も嬉しく思いました。

 

ちなみに、水イボに効く薏苡仁の薬名は「コイクラセリド」と言います。由来は、薏苡仁の”抗腫瘍成分”「コイクセノライド(coixenolide)」から。

加えて、イボで悩む女性が世の中に多いことから、イボを治して”恋して暮らせるように”という想いで、「コイ(恋)クラセ(暮らせ)リド」と命名。

 

私も子供の頃、手爪の生え際にイボが複数でき、悩んだ経験があります。

老若男女、イボで悩んでいる人がいらっしゃることがわかったので、早速「イボ」の文字とかわいいイラストが描かれた「ノボリ」を店前に立てたところ、なんとわずか10日で支柱ごと盗まれてしいました。

なにぶん初めてのことなので大変驚きました。どこかの誰かが、余程そのノボリを気に入ったのかもしれません。

 

これから水遊びが増える季節です。水イボがあると、見た目で気にされる方が多いので、もし水イボに気づかれたら、早めに治してあげたいですね。

                        

尚、水イボのような「表面の形が半球体」のイボには、薏苡仁が良く効くようですが、皮膚との接地面が少なく、出来てから年数が経って硬くなってしまったイボは、残念ながら効きにくいです。

また、同じ薏苡仁でも品質によって効果に差が出ますので、薏苡仁であれば皆同じように効くとお考えにならないようご注意ください。

 

 イボに薏苡仁が効くように、他の皮膚の症状にも「飲んで効く」ものが多くあります。「皮膚(肌)は内臓の鏡」、つまり皮膚の状態は内臓の異常を表しています。

短期間の軽度の症状でしたら、塗り薬だけで十分治りますが、慢性の皮膚症状は塗り薬だけで治そうとするより、内服した方が効果があります。

当店にはよく効く塗り薬として、ワグラス軟膏、サンクロン軟膏、パルモアーなどがありますが、飲み薬にも「ワグラス」があるのはご存知でしょうか。飲むワグラスは、喉の痛みや歯槽膿漏にも使いますが、元は皮膚の薬。  

皮膚を一枚のガラスに見立て、内側と外側から綺麗に磨くという意味合いで「一枚のガラス(one glass)」とし、飲み薬も塗り薬も「ワグラス」と命名しました。

 

皮膚病の事例をもう一つ。我が家で飼っている犬の話ですが、以前、前足を後ろ足でボリボリ掻きすぎて、一部分の毛がすっかり抜けて、さらに血が滲むほど酷い状態になったことがありました。ノミ駆除薬を投与して様子を見るも改善せず。硫黄水をスプレーしてみたり、サンクロン軟膏を塗ってみたりしましたが、犬が嫌がり、塗ってもすぐに舐めとってしまうので、飲み薬に切り替えてみました。

 

 試してみたのは、皮膚掻痒症薬の「アクトマン」。朝晩2錠ずつ、ご飯と一緒に飲ませることにしました。何でも食べるうちの犬は、気にせず薬もパクパク。しばらくして掻く回数が減ったなと思ってると、抜けきっていた部分の毛が徐々に生え、元通りになってきました。

 

 ちなみに、この「アクトマン」。元はストレス性の抜け毛に効く薬として「ヘアグロス(髪が育つ)」という薬名でした。ですが、脱毛だけでなく、湿疹やニキビなどの皮膚病に使ってもよく効くというので、「皮膚病でなんとなく鬱陶しいと言う人に与えると、気分さっぱり活動的に働ける」と喜ばれたところから、「活動的なアクティブな人(アクティブマン)になる薬」ということで、「アクトマン」と命名したとのことでした。